仲間募集の理由3:直面した構造的な壁

前回までの記事

【仲間募集】「無理」を「当たり前」に代えてくれることに一緒に挑戦してくれる人

仲間募集の理由1:なぜ仲間が必要なのか

仲間募集の理由2:どうして壁にぶつかったのか

前回は日本の競技力向上に繋がることとして、以下3つを挙げました。

  1. 全世代型クラブチーム(フェライン、Verein)の設立
  2. 練習頻度と練習時間の見直し
  3. 原則に基づいてホッケーを捉える

この内、フェライン設立には、構造的な「壁」が存在すると考えています。

今回はその構造的な「壁」について、説明したいと思います。

「壁その1」国内の主要大会にフェラインは参加できない

現在のルールでは、フェラインが全日本中学生ホッケー選手権大会(全中)や全国高等学校総合体育大会(インハイ)などの主要国内大会に参加することが想定されていません。

実際に全中とインハイのルールを見てみましょう。

【全日本中学生ホッケー選手権大会】

  • 参加資格:(公社)日本ホッケー協会および日本中学校部会に登録を完了
    大会当日現在、中学校に在籍している者。
  • 参加人員:(前略)なお、監督については教員であること

【全国高等学校総合体育大会開催基準要項】

大会参加資格を認める条件

  • 選手は、都道府県高等学校体育連盟に加盟している学校の生徒で、当該競技専門部に登録し、当該競技実施要項により全国大会の参加資格を得たものに限る。但し、都道府県高体連に専門部が設置されていない種目については、加盟校の生徒であることとする
  • 複数校合同チームの大会参加は認めない

このように、いずれも部活単位での参加が定められています

これは、戦後、部活動と教育が強く関連づけられてきたことが影響していると思われ、歴史的な背景、その意義について、より深く理解していく必要があります

その一方で、前回の記事で触れたように、少子化が進む日本では、特にホッケーのようなマイナー競技で、選手が競技を継続できなくなる、という状況を生み出しています。

また、教員の方々への負担というのも社会的な問題になっています。

現在部活動が抱えている課題。

部活動が歩んできた歴史、その役割と貢献。

その両面を踏まえた上で、残すべきところは残し、変えるべきところは変える。その為に何が出来るかを考えていきたいと思っています。

「壁その2」社会人の競技参加が難しい労働環境

次に触れなくてはいけないのは、労働環境による、社会人の競技参加の難しさです。

前回記事の、「練習頻度と時間の見直し」の項でも触れたように、ドイツでは社会人でも職に就きながらホッケーを続けています。

これが可能なのは、仕事とスポーツを両立できる環境があるからです。

1つは労働時間の短さです。

ドイツを含むヨーロッパでは、労働は定時で終わらせるものという考え方が強く、遅くまで残業することは少ないです。

20時15分練習開始だとしても、一度家に帰って夕飯を食べてから練習に来る、ということが可能です。

OECD加盟国間の比較を見ると、2018年の日本の年間労働時間(サービス残業含む)は最長で1,986時間。ドイツは最低の1,305時間となっています。

http://www.ritsumei.ac.jp/~satokei/sociallaw/workinghours.html

2つ目は転勤が日本ほど一般的ではないことです。

ドイツでは転勤が日本ほど一般的ではありません。
これは、ドイツが「就職」というように、職業に対して就く慣習があるからです。
社員だからといって、会社が自由に転勤させたりすることができないのです。
これはドイツの労働組合が職種別に組織されていることからもイメージがつくと思います。

一方日本では、「就社」という表現がされるように、「会社に入る」という意識が強くあります。
会社も、一度会社に入った人間は手厚く遇する一方で、部署の配置や勤務地については会社が自由に決める、という慣習があります。
労働組合も企業ごとに組織されます。

転勤先でホッケーが出来る環境があるかは運要素が強く、それにより競技を続けること、特に高いレベルで続けることは難しくなります。

参照:日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 小熊英二

「壁その3」都市への雇用・人口・教育機関の集中(都市化)

首都圏の人口は4400万人近くにのぼり、特に東京への人口流入は今後も続く見込みです。

人口減少社会において、東京の人口が増え続けるということは、地方の人口はどんどん減り、過疎化が進むことになります。

フェライン設立に「都市化」と「過疎化」はどう影響するのか?

まず、「都市化」は、地価が上昇し、グラウンド用地を確保することが困難になります。

スポーツ施設は稼働率を上げることが難しいことなどから、利益を出しづらく、一定程度の行政の支援が必要になります。

ところが、オリンピックに向けて建設された、大井ホッケー競技場もオリンピック後は多目的グラウンドとしての活用される方針を見るに、行政支援どころか、専用グラウンドの確保も難しい状況です。

一方「過疎化」が進む地方では、土地は手に入りやすくなる一方、「人」の確保が難しくなります

フェラインはまさに地域コミュニティの象徴的な存在であり、地域の人の情熱とボランティア精神によって支えられています。

肝心の「人」がいない地域でフェラインは成り立ちません。

なぜ都市に人があつまるのか

必要なのは地方と都市のミスマッチの解消です。

そもそもなぜ都市に人が集まるのでしょうか?

ポイントは教育機関と雇用にあると考えています。

地方から都市部に人が出ていく流れをみていきましょう。

  1. 親は良い教育を子供に受けさせたいが、良い大学[1]は都市部に集中しており、子供は地元を出て都市部に出る。
  • 就職先の多くは都市部にあるので、地元に戻らず都市部で就職する。
  • 企業側も都市部の方が人を雇いやすいので、都市部にオフィスを構える。
  • 教育機関も人が多いのは都市部なので、都市に集中する。

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かなり簡略化した論になってはいますが、都市化と過疎化が加速的に続く背景には、こうした負のスパイラルがあるとは言えるでしょう。

この流れをどう変えるのか?

企業だけが地方に出ても「雇う人がいない」という問題に直面します。

教育機関だけが地方に作っても「入学する人がいない」という問題に直面します。

これを同時に行う必要があるのです。

つまり、

この街には、これから企業が集まるor生まれます!

そして教育レベルの高い、大学も誕生します!

だからみなさん、生活は心配せず、安心してこの街に来てください!

企業のみなさんも、安心して従業員の人々をこの街に住まわせてください!

と宣言する必要があるのです。

その際には、行政のリーダーシップも必要になるでしょう。

雇用吸収力のある企業を地方に構える決断ができる経営者も必要です。

地方でも人が集められる魅力ある教育機関を設立するリーダーも必要です。

そして、フェラインは街の魅力を高める重要な役割を担うでしょう。

人が集まり、世代を重ね、地域に住む人のストーリーを作っていく場所として、フェラインは魅力的です。

この「壁」に正面から向き合わないといけない

ここまで説明してきた3つの「壁」ですが、部活主体のルール、労働環境、都市化/過疎化などいずれも大きい問題です。

労働環境や都市化については、既に政権レベルでリーダーシップを発揮しており、それでも手に余るような状況です。

ただのホッケー選手が扱える問題でないことも、理解しています。

しかし、扱える問題ではないから、そこで諦めてしまったら、フェラインの実現はできないままです。

そして、扱える問題ではないからと、向き合わなかったらずっと扱えないままです。

ホッケーも同じで、最初はスティックすら満足に扱えないから、そのスティックを上手く使えるようになるために、何度も試行錯誤するのです。

スティックと同じように、労働環境や都市化といった社会問題も、まずチャレンジするところから始める必要があります

これらの課題解決は多くのひとに望まれているのではないか

僕は今までフェラインを実現する、という観点からこれらの問題を考えてきました。

このブログを読んでいただいている方の中には、

フェライン設立、ピンとこない。

結局飯高の自己満足なんじゃないの?

と思う人もいると思います。

ですが、本当に誰も求めていないでしょうか?

労働環境の改善、都市化/過疎化というミスマッチを解消することに取り組むことで出来上がるフェラインの設立。

この問題に正面から取り組むことで、多くの人が幸せになると思うのです。

労働環境を改善し、残業が減り、勤務地選択の自由を従業員が得られること。

都市化/過疎化のミスマッチを解消することで、

地方が活性化します。

都市部の人口は減り、住み心地が良くなるでしょう

満員電車も解消されるし、地価も下がって、スポーツもしやすくなります。

フェラインが出来上がることで、教員の負担が減りブラック部活という問題の解消に寄与していくでしょう。

そして、競技力も向上します

ホッケーだけでなく、サッカーや他の競技でもオリンピックやワールドカップで優勝する日が来るかもしれません。

いや、必ず来ます。

そもそも、人口1億2千万人いる日本が、1700万人のオランダ、1100万人のベルギーに負けていること自体が異常ではないでしょうか?

本当に体格差や遺伝子レベルの問題でしょうか?

メッシは身長170㎝、体重も72kgですが、誰もが認める超一流プレーヤーです。

ホッケー界のメッシと言われるジェイミー・ドワイヤーも172㎝です。

(僕とほぼ同じです。むしろちょっと小さかった気がします笑)

Jamieと@天理大学でのホッケークリニックにて

体格差じゃないことは彼らが証明しています。

であるならば、僕がこれまで説明してきた構造的な壁が乗り越えられた時、そういう日が来る気がしてこないでしょうか?

僕は来ると思っています。

人々の生活が豊かになって、スポーツが生活に根付いて、競技力も向上する。

夢みたいな話だと思うかもしれませんが、不可能ではないと思うのです。

僕はホッケーのことを考えていたら、壁にぶつかりました。

しかし、それと同時に日本が良くなる可能性も見えた気がしました。

最初の小話をもう一度繰り返します。

僕のここまで描いたストーリーは全てフィクションです。

それが実現する保証もなにもありません。

でも、歴史上人類はフィクションを信じて協力し、成し遂げてきたのです。

それは時代が変わろうと不変だと思っています。

だから、僕はこのフィクションに共感して、一緒に行動してくれる仲間を探しています。

次回は、何でそれを僕がやらなくてはいけないのか、そして仲間を集めて何をするのか、ということについてご説明していきたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

続き

仲間募集の理由4:なぜ僕がやるのか。仲間を集めて何をするのか。


[1] ここでは便宜的に偏差値が高いという意味で使います。しかし、偏差値は日本独自の方法で世界標準ではなく、偏差値で学校の良し悪しを判断する慣習には疑問を持っています。

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