【練習再開2】久しぶりの練習。下手になってないのはなぜか

Moin!

ハンブルクは一番いい季節を迎えている中、街は賑わいを取り戻しつつあります。
前回ご報告の通り、先週14日から練習再開しています。

まずは週1回、ボディコンタクトの無いメニュー(シュート、コーンドリブル、パスなど)からはじめていて、徐々にいつも通りの練習に切り替えていく方針です。

約2カ月ぶりの練習だったので、ピッチの上でボールを触れる、シュートを打てる、レシーブをする、ドリブルする、一つ一つのプレーが楽しくてたまりませんでした。

家にいる間はプロリーグを観てプレーイメージを作って、それを実際に自分でやることを踏まえたシミュレーションをして…と過ごしていました。
プレーイメージがクリアに出来ていたので、イメージと実際のプレーのギャップがはっきり分かり、それを埋める作業が楽しく感じました。

マンネリしない工夫に感謝

対人、ゲーム形式ができないので物足りないかな、と思ったのですがありがたいことにヘッドコーチのKaiやGMのSvenが毎回違う練習を考えてくれるので、マンネリせず、チャレンジできています。

21日の練習内容
21日の練習内容

高い技術が要求されるメニュー、例えばレシーブでボールを浮かしてダイレクトシュート、ターニングからのハイプッシュなども入れてくれるので、勉強になるし、チャレンジすることが楽しいです。

練習してなかったけど、下手にはなってない

練習できない時間が長かったですが、イメージ作ることができたので、そこまで違和感なくプレーできました。一部の技術に関してはコロナ前よりも良くなっていたと思います。

学生時代1日練習休んだら、取り戻すのに3日かかると言われたものですが、それはトンデモ理論だったな、と改めて思いました笑

この理論が本当なら、ホッケーをほとんどやってなかったサラリーマン時代の5年間で僕の競技歴全部吹っ飛んでいますからね笑

その話は別としても、2か月練習してなかった割にパフォーマンスがそこまで落ちていないという事実は、今後に活かせそうなので自分なりにその要因を考えてみました。

パフォーマンスってなんだ?

一概にパフォーマンスといっても、定義は人それぞれです。

スポーツに関わる人達の中で語られる“パフォーマンス”の意味は、日本語にすると競技力、でしょうか。

では競技力とはどういう意味なのか。

辞書を引くと次の意味が出てきます。

【競技力】

名詞「競技」に、接尾辞「力」がついたもの

競技の意味を引くと以下の説明が出てきます。

【競技】

① わざをきそうこと。

② 運動競技。スポーツ。 「真剣に-する姿に打たれる」

つまり、ホッケーにおける競技力とは、ホッケーをする力、ということでしょうか。

かなりあいまいですね。

これだと、つかみどころが無いので、ここでは僕なりのホッケーをする力について述べさせていただきます。

僕は、心、技、体の3要素に分け、それぞれを伸ばす過程はPDCA(Plan, Do, Check, Action)で考えています。

まとめると、以下のようなイメージです。

 PlanDoCheckAction
・どういう精神状態があるのか
・どういう精神状態になりたいか
瞑想
・散歩

イメージトレーニング
実現できたP or PとDのギャップをノートにまとめる。PDCを基に改善策の検討
・試合を観る
・動画を見る
ピッチ上での練習
・家でのボールコントロール
実現できたP or PとDのギャップをノートにまとめる。PDCを基に改善策の検討
・身体をどう動かすか
・身体の動かし方をイメージ(本、動画等)
・どのような身体能力が必要か
・身体の動かし方
・家やジムでのトレーニング
・ランニング、スプリント  
実現できたP or PとDのギャップをノートにまとめる。PDCを基に改善策の検討
表1 競技力の内訳と向上する過程のイメージ



この中で本当にピッチ上でしかできないことは、実は技のDoの部分だけで、それに伴うCheck、Actionが回せなくなるという部分(赤字)ぐらいではないでしょうか。

それですら、家でボールコントロールを練習する部分についてはPDCAを回すことが出来る。

「体」や「心」は一部を除いてほとんどがピッチ外でPDCAを回せると思っています。

ピッチ上だけで競技力を伸ばそうとするのではなく、ピッチの外でも(それも自主的に)競技力を伸ばすという考え方は大事な気がしています。

日本人はピッチ上での練習量が少ないのか

以前の記事でドイツは練習頻度、量ともに少ないと書きましたが、それに対する疑問として、

「彼らは競技歴が長いから、競技歴の短い日本人はもっと練習頻度・量を増やさないといけないのでは?」というのがあります。

確かに競技歴の違いは考慮しなくてはいけない要素です。

そこで、ここではピッチ上における練習量のみを考えてみます。

具体的に25歳の時点での練習量を考えてみましょう。

ドイツ人の練習量については、以前紹介した練習量をベースに計算します。
リンク:仲間募集の理由2 どうして壁にぶつかったのか

ドイツ人が週3回。3歳から1日2時間練習したとして、

3(日)×52(週)×2(時間)×23(年)=7,176時間

日本人が週6、12歳から1日3時間練習したとすると

6(日)×52(週)×3(時間)×14(年)=13,104時間

僕は高校生(15歳)から始めたので、そのケースも考えてみると、

6(日)×52(週)×3(時間)×11(年)=10,296時間

日本の方が25歳時点ではピッチ上の練習量は多くなることが分かります。

25歳時点では、ピッチ上での練習量は、たとえ高校生から始めたとしても日本の方が多いことがわかります。
グラフにすると以下のようになります。

図表 日独の練習時間単純比較
図1 日独の練習時間単純比較

12歳スタートだと、16歳時点でドイツ人を追い越す計算です。

15歳スタートでは、21歳の時点で、ドイツ人を追い越す計算です。

これは単純計算なので、ドイツでは週末両方試合がある週は週4回になったり、小さい子どもは週1回だったりと、日本でも社会人になってからは週6では練習できない、といった部分はありますが、それは式に反映できていません。

そのような誤差はあると思いますが傾向として、日本人のピッチ上での練習時間はドイツ人よりも多い、少なくとも「少なくはない」、と言えると思います。

尚、この計算では1年間休まず練習を続けることになっていますが、もちろんオフの期間もあります。

シーズンの合間は1年間で2-3カ月は練習しない期間がありますが、これは日本も学校によってはテスト休みが入るなどほぼ同様の条件だと思うので、ここでは勘案しません。

競技力を決めるのはピッチ上での練習時間だけではないのではないか

ピッチ上での練習時間が日本は少ないわけではない。
そうすると、なにが欧州、オセアニア勢との差を生み出しているのでしょうか。

その理由は、「練習の質」「ピッチ外での練習」にあると考えます。
(といよりも、そこしか考えられないと思っています。もしそうでなければ遺伝子レベルの話ですが、身体能力/サイズが決定的な要因になる競技ならともかく、ホッケーで遺伝子の話を持ち出すのは適切は無いと考えています)

練習の質という点では、マンネリすると当然落ちます。

マンネリしたピッチ上での練習を繰り返すよりも、ピッチ外での練習・トレーニングを増やして新たな刺激を入れた方が上達する、という可能性はないでしょうか?

参照:能力は才能と努力どちらで決まるのか

それ以外にも、練習強度を高めたり、練習に参加する人数を調整するなど、質を高める工夫はいくつも考えられます。

ピッチ外での練習という点では、先にあげた表1にもとづけば、ピッチ上でなくても練習はいくらでもできるはずです。

これは仮説ですが、ドイツをはじめとしたホッケー強豪国では、ピッチの外でも自分で工夫して、もしくは無意識的に競技力を高める何かがあるのではないか、と考えています。

例えば、子供のころから、トップチームの試合を観たり、近所に試合を観に行ったり、クラブの先輩からホッケーの話を聞いたり、教えてもらったり、などです。

実際にホッケーの試合会場には、親に連れられて小さい子供が観戦しています。
彼らは無意識のうちに、プレーイメージを作って、自然と上達していく速度が高まっているのかもしれません

まとめ

今回は、久しぶりの練習なのに、ホッケーが下手になっていなかった。
という僕自身の気づきから、競技力はどのように向上していくのか、量と質の関係について、考えてきました。

僕自身もそうでしたが、練習と言うとピッチ上での練習を中心に考えがちです。
しかし、ピッチの外に目を向けることで、さらに成長できる可能性があるのではないでしょうか。

このように考えてみると、今はヨーロッパ、オセアニア勢にランキング上位を占められてしまっていますが、日本にはまだまだ強くなる余地が残っているように思えます。

様々なアプローチを試して、強くなるということがどういうことなのか、これからも考えていきたいと思います。

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