「この1か月で何が上達したか」という質問に答えられますか? 中嶋さんとのメンタルセッションその4
Moin!
先日、強烈なモモカンを食らって脚が全く上がらなくなり、この2年で初めて練習を休みました。
1週間休めば治る程度のものだったので良かったのですが、練習できない、というもどかしさを久しぶりに感じました(^^;)
さて、今月もメンタルトレーナーの中嶋さんとセッションさせていただきました。
今回も中嶋さんのブログでも記事を書いて頂いているので、ぜひご覧ください!
https://susumumental.com/?p=1834&fbclid=IwAR18EY_RRFyCN62HBy8KoyALugTQbLEKRypcBM-uUpmFsJXRVhh5VZesl8Q
毎回気づきがあるのですが、今回はパフォーマンスを向上させる上での「言語化の重要性」についてです。
1つ目の問い「この1か月で何が上達しましたか?」
このような質問をされた時に、明確に回答できる人はどのぐらいいるでしょうか。
また、自分にそのような問いかけをしている人はどの程度いるでしょうか。
そのほかにも、
「それはどのように上達しましたか?」
「上達した状態を言葉で表すとするとどんな言葉になりますか?」
「さらに上達するためにどのような練習をしていきますか?」
こうした質問をうける機会はどれぐらいあるでしょうか。
中嶋さんからこうした質問を受けて、自分の言葉で答えていきました。
(中嶋さんの質問はより丁寧な言葉遣いでしたが笑)
これらは既にノートに書いて整理している内容もあったのですが、改めて口に出すことでイメージがクリアになっていきます。
言語化する意味
僕は「プレーイメージを言語化できるレベルまで具体的に持つこと」は、練習の質を高めることに直結すると考えています。
「何を」「どうやって」、「どのように向上させるのか」このイメージがあいまいだと2つのデメリットがあります。
1つ目は、練習が終わった後に、何が上達したか、あるいは上達しなかったのかの判断がつけられなくなることです。
2つ目は、結果の良し悪しが判断できないことで、次にどうするか対策を打てなくなることです。
言語化する時の具体例
これを避けるために僕がどうしているか、具体的な例を挙げたいと思います。
以前の練習で、ドリブルを仕掛けた時にボールを奪われるシーンがありました。
ドリブルが失敗したシチュエーションと、成功したシチュエーションを比べた時、2つの違いがありました。
1つ目はDFのポジショニングです。
簡単に抜ける時は、DFが自分に対して距離を詰めている時で、この場合トラップやスピードで抜くことができます。
一方、ドリブルを警戒して深めに守られている時は、いくらスピードの差があってもドリブルで抜くことは難しく、この時に無理にドリブルを仕掛けても勝ち目が薄いです。
※特にドイツ人はインドアホッケーの経験からか、リーチ内のボールに対する対応力が高いので、ラッキーで抜けることがほとんどない印象です。
2つ目は味方のフォローの有無です。
味方のフォローが遅れ、選択肢がドリブル突破しかないと、DFが守りやすくなります。
そのため味方のフォローが出てくるまで待つ必要があります。
この2つを踏まえ、ドリブルでボールを奪われないために、次のことを考えています。
①相手DFのポジショニングを見極める。
・DFとの距離が近くてスピードでかわせる時は、抜きにいく。
・ドリブルを警戒されている時は、キープしながらチャンスを作る。
②味方のフォローを待つ。
・味方がフォローしやすいスペースでボールを受ける。
・それでもフォローが遅れる場合は、フォローが入るまでキープして待つ。
これらを、具体的なシチュエーションも想定した上で、シャドーでイメージを作ってから練習に臨みます。
同時にプレッシャーがあっても、平常心でプレーするための身体感覚[1]も同時にイメージするようにしています。
僕はドリブルでボールを奪われた、というワンプレーから、このあたりまで考えてプレーするようにしています。
みなさんはどうでしょうか。
ありがちなのは、ドリブルで抜かれた、次は絶対抜くorパスをしよう、ぐらいの整理にとどまってしまうことです。
これだと、振り返った時に、何が出来て、何が出来ていなかったのかが判断がつきません。
そのため、次に活かすことができずいつまで経っても同じところをぐるぐる回っているだけ、ということになってしまいます。
そうなると、冒頭の質問「この1か月で何が上達しましたか?」という問いにクリアに答えられません。
2つ目の問い「何のためにホッケーをしますか?」
次に中嶋さんから、目標について質問を受けました。
僕がホッケーをする目的は突き詰めると、挑戦し続けたいという自分の欲求を満たすため、です。
(少なくとも今は、「応援してくれる人のために」など自分以外のところに理由を求めて、ごまかしたくないと思っています。)
目的は明確だったのですが、目的と現在地の間にある「目標」は結構ぼやけていました。
EHLや日本代表、1部昇格、リーグで何点とる…などマイルストーンとしての目標はいくつかあって、具体的なもの、ぼんやりしたもの、それぞれです。
この中でも特に、3年、4年、5年先あたりのことは、非常にあいまいなイメージしか持てていません。
その理由は、遠い未来のことは現実感が持てず、目の前の試合や練習を、1つ1つのステップを確実に踏んでいくことでしか、成長できないと思っていたからです。
しかし、中嶋さんと話しながら、自分がしたいプレー、どのような選手でありたいか、という姿が以前に比べてはっきりして、確実にそこに近づいていることに気づきました。
そして、遠い未来に思えていた3-5年先のことも、手が届くところに至りつつあるのではないか、と思えたのです。
良いタイミングだと思うので、今だからこそ、3-5年先の自分の姿に向き合いたいと思いました。
言語化する、ということ
言語化できるかどうか、というのは、自分の理解度を図る上で一つの指標になります。
「立つ」という動作1つをとっても
・足を地面に接地して、背筋を伸ばす。
とだけ表現する人もいれば、
・体重を脛骨で支え、股関節で受けることで、無駄な筋力を使わない。
・骨盤から背骨を通じて頭蓋骨まで意識をめぐらせ、軸を感じて立つ。
・肩甲骨から腕は肋骨の上に乗せて、やじろべのようにふらふらさせておく。
といった表現をする人もいます。
イチロー選手がインタビューで、「人体の構造を理解するとパフォーマンスが上がる」、ということを話していましたが、後者のように言語化できる人は、人体の構造をより深く理解できているのは間違いないでしょう。
同様に、ここまで述べて来たような、自分のプレーや、目的と目標を言語化する、ということには確かな意味があると思っています。
コーチングやメンタルトレーニングを受けて感じるのは、言語化のプロセスを手伝ってもらっている、ということです。
1人では考えが及ばないところにも、他者から質問されることで気づくことができます。
自分の考えを言語化することで、自分の考えを深めることができるようになります。
考えを深める過程で、新たな発見があります。
新たな発見は全く別の角度から自分が成長するきっかけになることがあります。
1か月たって自分の成長を感じることができない人は、一度自分の考えを言語化して見直してみてはどうでしょうか。
自分でそうした習慣を身に着けたいと思う人には、前田裕二さんの「メモの魔力」をおすすめします。
タイトルから、単にメモの取り方が書かれているかのように思う人もいるかもしれません。
しかし、単なるノウハウにとどまらず、人生とは何か、自分とは何なのか、を具体的に考える意味とその方法を教えてくれる良書です。
もちろんメンタルトレーナーやコーチングのスキルを持った人に依頼するのもおススメです。
1か月以上、「停滞しているなぁ」と感じた時は、言語化し、クリアなイメージを作ってみてはいかがでしょうか。
中嶋さんのホームページはこちら!!
[1] 身体感覚については多数書籍が出ているので、それらを読むことをおススメします。
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